自分らしく生き、いのちのバトンタッチできる社会・地域
当グループは「自分らしく生きる」ということがキャッチテーマ。言葉は短いが、この言葉の中には、いろいろな課題を抱えていたり問題を抱えていたり(生まれてから死ぬまで、年齢的な問題など)といったことがある。
それらを全てひっくるめて、「自分らしく生きる」ということについての話し合いを行った。
求める将来像は「いのちのバトンタッチのできる社会・地域」、そして「サスティナブル(持続可能)な社会」をいうことを掲げた。
サスティナブルはハード面ではなく、ソフト面。皆さんの知恵を集めて、世代を超えてつながり合えるような地域ができると良いと考えた。
では対象は具体的にどういう人が「いのちのバトンタッチ」「サスティナブル」の対象なのか。
人間の一生、生まれる前、産前産後(授乳期)から。障害の子どもも生まれるかもしれない。障害の方も実際育ち、街で暮らす。自分もいつ障害を持つかわからない。分断されない、「東京2020オリパラ」でたくさんの人も海外からやってくるが、言葉も超えて、年齢も関係なく、皆が集えるような、自分らしく生きられるような場所があるといいのでは、という話になった。
もちろんこの中には引きこもり、自分の家の中だけの居場所がいいのではなくて、その方が外とつながることでもっと違う世の中も生まれてくるのではないか。それが「サスティナブル」なのではないか。
お金を持っている銀行さんがいることに注目。何かワンストップサービスとまではいかないまでも、方向付けができれば。人間、石器時代から食べることが大事。食べることのワークショップはどうしても必要。いずれにしても子育て教育は全部のジャンルとかかわっていることを再確認した。
地域を回って社会貢献をしている大手スーパーなどもあるが、人口が35万人もいるから足りない。たくさんの人が、企業が手伝ってくれることで現実に近づく。
今回の「港北つなぎ塾」のテーマである情報発信を、どのように子育て・教育分野で行っていくか、ということについて、「必要としている人にきちんと届ける」という運用をすることが大事。
地域の方とつながるために「あ、こういうところがあるよ」といった口コミでの評判は無視できない。
地域の情報が最大の武器になる、今はインターネットの時代。SNSやホームページを作っただけでは誰も見てくれないので、その運用方法として広く情報提供して、必要としている方が孤立しない、という使い方を行うべき。
SNSであれば、ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)は知り合いの知り合いからつながっていくことが一番手近なところ。「港北つなぎ塾」の参加者の皆さんの力も必要なところ。
テーマとか、どういう想いを乗せたかという議論があって、それを実際に実現する方法はというと、まず「場所」が必要だということ。そこにはどんな人が来てもいい、ということ。そしてその場所を使って、その人が自分らしく「ごちゃまぜ」で生きられるような場所。
35万人もいるところに一つの場所、といってもダメなので、それは一つのエリアエリアにその場所はたくさんあるべきだ。
それぞれの「場所」には場所を運用する人が必要。そのキーマンになってくれる人は「港北つなぎ塾」の参加者。たくさんの場所が必要だが、地区センターは1カ所しかないので、「空き家活用」が良いのではないか。
「空き家」を活用するのは今のところ難しいので、行政のコーディネートの力を借りて行うのが手だ。
どこか空いている場所を借りられるよう手伝ってほしい。
地域をよく知り、地主の方ともつながっている金融機関の力を借りながら。
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<担当アドバイザー・黒須氏>
育児、子育て教育は、既に皆さんが個々に、素敵な思いを持っていろいろな活動をしている。その方々が集まった時に、結構お互いがどんなことをしているのか知らないよね、という話になった。
それをどうやって知り合うかを考えるよりは、もう一カ所にみんな入っちゃったらいいんじゃないの、となった。
どこか場所を港北区の支援で借りてもらって、金融機関から資金を貸してもらって、今日これが終わったらできるのではないか、という現実的な提案をさせてもらった。
<別分野のアドバイザー・佐藤氏>
信用金庫というのは地域貢献事業であり、こういったかたちで当然ニーズがあればどんどん協力・お手伝いをさせていただきたいと思う。
一方、お金を借りるということは返さなければいけないということなので、事業の計画が大切だと思う。こういうことをやりますよ、となったときに、たくさん利益を出すことはないかもしれないが、ある程度の利益を出していかないとどんどん借金が膨らんでしまい、残念な結果になってしまう。
最初の事業計画が大切。その計画を作るのにどんどん我々を利用してもらい、お手伝いさせていただきたい。
<参加者質問・コメント1>
赤ちゃんや子どもがいる人はいいが、「真ん中の世代」が地域から抜けてしまうことについての考えは?
<発表者回答・コメント1>
「土日」「夜」「コワーキングスペース(共同作業場)」「プロボノ(自らの知識を生かした社会貢献ボランティア)」というキーワードで語られるように、集まりやすい環境も出来つつある。そういう方々が集える場所を運用するなかで、夜間は空いていることでネットワークを作っていければ。
働き方も多様化しているので、常勤だけど、週4日、17時に業務が終わる人もいれば、夜のサポ―トが必要な人もいる。いろいろなことが対応できるのではないか。
<発表者補足コメント1>
特に小学校高学年になってしまうと、習い事やスポーツばかりになる。21世紀を作る人たちがしっかりとしたグローバルな学びを地域で得られているのか。自身の(日頃の)取り組みとしても行っていきたい。
<別分野のアドバイザー・小泉氏>
子育てに特化したお話になると思っていたら、全世代に縦につながっていく必要があるね、という、とてもしっかりと2、3年だけでなく先を考えた提案に感じた。「どうしてもSNSが必要だ」という考えも、「自治会・町内会・地域団体」の発表でも出てくるので、つながっていければと思った。
<別分野のアドバイザー・鈴木氏>
地域でシニアサロンを運営しているが、子育て世代もたくさん集まっていて、おじいちゃん・おばあちゃんたちとつながりたいと思っている。
地域には「ポストの数だけコミュニティカフェがあるといい」と言われている。ぜひこれからもこういった場所が必要であると言ってもらえたら。
<別分野のアドバイザー・佐藤氏>
子育て・教育は本当に重要な分野だと考えているが、簡単に言うと「巻き込む」ことが大切。「なんか面白そうなことをやっているな」「いいことをやっているな」という場に、いろいろな人を巻き込んで、そこに参加してもらって「楽しかったな」「やっぱり来てよかったな」ということがどんどん提案の実現につながっていくと思う。
<別分野のアドバイザー・平井氏>
「実現方法」のところで、一番下に「ごちゃまぜ」と書いてあるのが気に入り、素晴らしいと思った。世代を超えてごちゃまぜに集まろうとなった時に、一番問題となるのが小さなお子さんの安心、安全を親御さんがどこまで心許せるか、ということ。
そこは「人と人」「心のつながり」がないと安心して参加できない。その点をどうクリアしていくのか。もう少し加えてほしいと思った。
そして集まって何をするのか。おまつり、パーティーとかいっぱいやってもらいたいし、楽しいことをやるというのは「港北区の魅力発信」とぜひコラボしてもらいたい。
<担当アドバイザー・黒須氏2>
普段、私も妻も働いているが、そういう日中地域にいない「真ん中の世代」の人に魅力的なサービスを企画・提供していくことをこちら側がやらなければならないし、日中仕事をされている方々の「働き方改革」とよく言っているが、昔のように「昼間、地域のことを知りません」とか「家庭のことは知りません」という働き方をしていても、そういう人には今後仕事はなくなるだろう。
既に高度成長期は終わっているのにも関わらず、会社という古い組織がなかなか変化しないので、皆さんが昼間地域に来るというように変わってもらって、人生のメリハリを付けていくことが大切なのではないか。