つなぎ塾トーク<第4回:子育て支援・教育現場のみなさん>
新型コロナ禍でも子育て・学びは止められない
つなぎ塾トークの第4回は、港北区内で子育て支援や教育現場を担っている3人の方に集まっていただき、新型コロナ禍を踏まえたIT活用や子育て世代へのアプローチのあり方、地域の教育環境づくりをテーマに話を伺いました。(2020年11月4日公開、10月6日開催)
会場となった港北区役所内の会議室では、ソーシャルディスタンスを確保したうえで、職員の方も自由に聴講できるスタイルとしました。今回、話を伺ったのは次の3人の方々です。
<お話を聞いた方々>
<司会・構成>
1.港北区との関わりと地域活動の今
小学校・子育て支援・地域の現場から
<司会>
つなぎ塾トークも4回目となり、本日は港北区内で子育て分野に関わる3人の方々にお越しいただきました。それぞれ、簡単に自己紹介をお願いいたします
<玉置 恭美さん:日吉台小学校校長>
2018(平成30)年4月から日吉駅近くの日吉台小学校で校長をつとめておりまして、その前年は日吉台中学校(日吉本町4丁目)の副校長です。もともと英語教員として採用され、初めて赴任した先が樽町中学校(樽町4丁目)でした。
生まれも育ちも横浜市で、親子四代にわたって続いています。実は私の出身は港北区です。といいましても、今は緑区となっていますが、生まれたころは緑区や都筑区、青葉区がまだ無く、すべて「港北区」でした。幼い頃、祖母に「迷子になったらこれを言うんだよ」と暗記させられた住所が「横浜市港北区」だったことをよく覚えています。
そのようなわけで、港北区とは公私ともに何かと縁があります。
<畑中 祐美子さん:認定NPO法人びーのびーの>
出身は北海道函館市で、二十歳の頃に首都圏へ出てきまして、その後、川崎市の中原区で就職しました。今は菊名駅に近い鶴見区在住ですが、結婚して住んだところが新吉田町でしたので、本籍は今も新吉田町のままです。
最寄りが菊名駅ということもあって、駅西口の篠原北に本部を置く子育て支援の認定NPO法人「びーのびーの」と縁ができまして、以降、びーのびーのでは主に情報発信に関する仕事をしています。
びーのびーのとの出会いは、今の住まいに越して第3子を出産後のころでした。「お母さん業界新聞」(神奈川区大野町、1989年の発足時は「トランタン新聞」)という横浜発の有名なフリーペーパーをよく読んでいまして、そこに「菊名に『おやこの広場びーのびーの』という施設ができ、親子で遊べる場所です」という記事が載っていたので行ってみたら、「『幼稚園・保育園ガイド』を作る人を募集中」と壁に貼ってあったんです。もともとIT系の仕事をしていたのですが、保育士と幼稚園教諭の資格を持っていましたので、何か役に立てるかもしれない、と活動に加わったことがきっかけです。
現在は子育て支援に携わっているご縁で、一般社団法人「全国子育てタクシー協会」(横浜市瀬谷区)で理事をさせていただき、横浜市の「福祉のまちづくり推進会議」では委員として、横浜市福祉のまちづくり条例を推進するための活動にも携わっています。
<豊岡 修さん:青少年指導員協議会 新羽地区会長>
偶然にも畑中さんと同じく出身は北海道でして、札幌市です。就職で首都圏へ出てきまして、最初は会社の寮でしたが、結婚後は日吉本町に住んでいました。家を買いたいと思って探していたところ、新羽町の幹線道路「宮内新横浜線」に近い位置で東急電鉄が建てた分譲住宅が売りに出されていて、今はそこに住んでいます。
子どもが小学生になる前は、地域とのつながりが少なかったこともあり、子ども会に参加したことがきっかけで「青少年指導員」に推され、現在に至ります。青少年指導員の協議会では新羽地区の会長と、港北区の副会長をつとめております。
このほか、地元の新羽町自治会で副会長や、新羽地区社会福祉協議会の理事、新羽地域ケアプラザでは運営委員をつとめている縁で、区の地域福祉保健計画「ひっとプラン港北」の推進委員を、また、青少年指導員の縁で、新羽の小中合同学校運営協議会の委員などもさせていただいているところです。
2.「新型コロナ禍」で活動はどうなったか
外出自粛「緊急事態宣言」で現場の苦心
<司会>
ありがとうございます。まずは、みなさんの現在の活動状況や、今年の春以降の「新型コロナ禍」における対応などを教えてください
<玉置 恭美さん:日吉台小学校校長>
2月27日に国から休校要請が出されたことを受け、横浜の市立小・中学校では3月3日から臨時休校に入り、4月と5月には「緊急事態宣言」が出されたため、休校期間は延長されることになりました。
その間、短時間の卒業式や入学式、課題などの受け渡しこそ行えましたが、外出自粛が求められていましたので、学校自体は6月1日まで再開ができませんでした。
港北区には市立の小学校が26校、中学校が9校あるのですが、私の勤務する日吉台小でも、出勤自粛期間中は教職員に「LINE WORKS(ラインワークス)」で情報を共有しました。市の教育委員会から学校再開の見通しなどに関する情報が来ると、その内容や今後の指示を職員へ向けて一斉配信するというような形です。
また、日吉台小では「登下校ミマモルメ」という鉄道会社が開発したメール配信サービスを導入していましたので、保護者のみなさんへは、メールを使って連絡しました。
メールには長文が載せられないので、学校のホームページに情報を載せ、そのURLを貼り付けてそこを見てもらうようにしました。
<畑中 祐美子さん:認定NPO法人びーのびーの>
びーのびーのでは、港北区内で「親と子のつどいの広場」の一つである「おやこの広場びーのびーの」(篠原北1丁目)と、子育て支援拠点「どろっぷ」(大倉山3丁目)と「どろっぷサテライト」(綱島東3丁目)を運営しています。
「つなぎ塾トーク第1回」に樽町で「ひだまり」を運営する横溝和子さんも登場されていますが、「親と子のつどいの広場」は、保育園・幼稚園に入る前のお子さんと保護者の方が一緒に来て遊んだり、子育て相談を受けたりする施設で、港北区には6カ所(篠原北・高田西・樽町・日吉本町・岸根町・新吉田東)あります。
「どろっぷ」や「どろっぷサテライト」は広場の機能に加えて、子育てサポートシステムや、利用者支援機能、支援に関わる人のためのネットワークなどの後方支援のようなことも行っています。
首都圏では4月7日から5月25日まで「緊急事態宣言」が出されていたため、その期間は「親と子のつどいの広場」も「どろっぷ」も来訪者を迎えることができなくなりました。
ただ、外出自粛を求められても、家のなかでは乳幼児の子育ての手を止めることはできません。相談したい人は多数いると考え、「どろっぷ」には何人かの職員が出勤して電話相談を受け続けました。
また、産前産後の方のなかには、両親が手伝いに来られなくなったり、里帰り出産も難しくなったりしていましたので、そうした人への支援も止めるわけにはいかないということで、市の委託を受けて行っている「産前産後ヘルパー派遣」も継続しています。
当時は著しいマスク不足の状態でしたが、あらゆるところからかき集めたり、ご寄付いただいたりして、ヘルパーさんの感染対策を懸命に行いました。
<司会>
外出自粛ということで、インターネットを通じた情報発信に積極的でしたね。また、臨時休校中の大学生と小学生を結ぶ新たな取り組みも行っていますね
<畑中 祐美子さん:認定NPO法人びーのびーの>
これからお父さんになる「プレパパ」向けの動画を配信したり、写真共有SNS「Instagram(インスタグラム)」を始めたり、港北区の子育て情報が得られるアプリ「ココアプリ」には、常に最新情報を発信していました。
インスタグラムは、始めたばかりで知名度が高くないこともあって、当初はあまり「いいね!」は付かなかったのですが、後で「スタッフの様子が分かるだけでも嬉しかった」「誰かがどこかで何かをしてくれている、自分たちのことを考えてくれているということが伝わっただけでも嬉しかった」との声を聞きまして、やってよかった、とスタッフ間で喜びましたね。
また、若者とNPOをつなぐ「NPO法人アクションポート横浜」(中区山下町)と神奈川大学経営学部(神奈川区六角橋)の山岡義卓先生のゼミ生に協力いただき、小学生とのオンライン交流活動も行いました。
大学生も新学期をまたいで通学もクラブ活動もアルバイトもできない状態となっていて、「何か地域の役に立ちたい、子どもたちのためにできることはないか」と企画を考えてくれたものです。
オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使って、自宅から出られない小学生に勉強を教えたり、歌やゲームを楽しんだりといったことを実践してくれ、非常に盛り上がってテレビなどにも取り上げられ、暗かったコロナ禍のなかで嬉しい出来事でした。
<豊岡 修さん:青少年指導員協議会新羽地区会長>
区の青少年指導員としての活動は、4月以降まったくできていない状態です。横浜市の指針から考えると、活動は難しいという判断になってしまいます。
子ども向けの行事は、小学校のグラウンドをお借りすることが多いのですが、借りるためのハードルがものすごく高くなりました。
万が一、そこで陽性者を出した場合、学校に与える影響が非常に大きくなるので、やむを得ません。我々としても年内の活動は難しいと判断し、基本的に行っていない状況です。
今、その後はどうするかを考えているところです。ただ、青少年指導員の活動としては、子どもに集まってもらうというスタイルが基本なので、これまでのように100人規模で集まることが難しいなか、どのような形なら楽しんでもらえるかを模索しています。
青少年指導員の会長会の会合自体もなかなか難しく、会長と副会長2人の3人だけでここの会議室(区役所4階、通常は約50人収容)に集まったのですが、感染対策で席を離しているから全然声が聞こえなくて、最初はお互い「何を言っているのかよく分からん」みたいな感じになりましたね(苦笑)
<司会>
先ほど、畑中さんの自己紹介内にも出てきましたが、びーのびーのでは、毎年5月から6月に港北区内と周辺の幼稚園や保育所を取材してまとめた『びーのびーのガイド(幼稚園・保育園ガイド)』を2000(平成12)年から発行しています。今年は発行が7月下旬に伸びており、特に大変だったのではないですか
<畑中 祐美子さん:認定NPO法人びーのびーの>
港北区の周辺で幼稚園や保育所を探す際、20年にわたって多くの方に愛読いただいてきました。このガイドを通じて各園の基本的な部分を知っていただき、そのうえで自分の目で実際に見学して確かめてほしいとの思いがあります。でも、今年は見学も十分にはできないし、公開保育の機会もほとんどありません。
どうにかできないかと考え、「小机幼稚園」(小机町)の久米先生のご協力を得て園庭を撮影させていただいて動画にしたり、私どもの法人と関わりのある認可保育所「ちいさなたね保育園」(師岡町)の安江園長からのメッセージを収録したりしました。
3.緊急事態下で有効だった連絡手段とは
「LINE」「Slack」など多彩なツールで乗り切る
<司会>
先ほど、玉置先生から日吉台小学校では「LINE WORKS(ラインワークス)」を通じて先生方と連絡を取り合っていたという話がありましたが、外出自粛が求められるなか、組織内ではどのようにコミュニケーションを取っていたのでしょうか
<畑中 祐美子さん:認定NPO法人びーのびーの>
びーのびーのには、スタッフが70人ぐらいいて、ボランティアの方を含め約100人で活動しています。
連絡手段のベースには「メーリングリスト」がありまして、NPO法人内の事業が複雑多岐にわたっていますので、50本ぐらいのメーリングリストが存在しています。ここに毎週の予定を配信する形です。
また、事業チームごとに連絡手段を決めていて、「LINE」をはじめ、Facebook(フェイスブック)に付随する「Messenger(メッセンジャー)」を使うチームもあれば、グループチャットなどができるコミュニケーションツール「Slack(スラック)」を採り入れているチームもあり、それぞれですね。
<豊岡 修さん:青少年指導員協議会新羽地区会長>
青少年指導員の新羽地区では、企業向けの情報共有サービス「サイボウズOffice(オフィス)」を使っていて、そこへ基本的な情報を収容し、アクセス権のある人が、全ての情報にアクセスできるという形にして情報の電子共有を図っています。
連絡や情報の発信手段としては、「Slack(スラック)」を活用しています。LINEだと個人用のLINEとごっちゃになるので、その辺の切り分けが難しいのでSlackになりました。
課題はやはり、使いこなせる人と使いこなせない人がいて、LINEにせよ何にせよ連絡の手段を1つに統一するのが難しいという印象です。
<玉置 恭美さん:日吉台小学校校長>
港北区の小学校校長は26人おり、緊急事態宣言中の4月と5月は一同に集まることが難しかったのですが、どうしても話し合わなければならない議題もありましたので、マイクロソフトのオンライン会議ツール「Teams(チームズ)」を使って校長会を行いました。
当時、「Zoom(ズーム)」は個人としてアカウントを取らなければならなかったので、教育委員会に「Teamsのアカウントを全員に配布してください」とお願いしたところ、他の区で使っている事例があったので、割と早く対応をしてもらえました。
その後にZoomを使っても良い、と公式に通達がありましたので、Zoomも活用しながらさまざまな会議を行っています。
4.コロナ禍を経ての苦労や変化とは
活動再開後も「コロナ対策」に悩み
<司会>
みなさんがコロナ禍での活動やコミュニケーションに苦心されたことが伝わってきました。今回の経験を経てどんな変化がありましたか
<玉置 恭美さん:日吉台小学校校長>
先ほど、豊岡さんが学校のグラウンド開放のことを話しておられましたので少し説明しますと、横浜市立の小中学校では、グラウンドや体育館の使用調整は学校ではなく、各校の「文化・スポーツクラブ」という別組織で行っています。
校庭は、土曜日は「放課後キッズクラブ」(授業終了後と土曜日の居場所として各学校内に設置)へ通う児童が遊ぶ場所として優先的に使いますので、なかなか空きがありません。
貸し出し自体が8月まで市全体で停止となっていて、その後に再開したのですが、使った人全員の名簿提出や使用後の衛生面での対応など、貸し出し条件がかなり厳しくなっているのが現状です。
<豊岡 修さん:青少年指導員協議会新羽地区会長>
私も地元小学校と中学校の「文化・スポーツクラブ」の副委員長をさせていただいているのですが、小学校のグラウンドは「放課後キッズクラブ」が最優先で使い、その次が「地域行事」です。地域の登録団体は空いていれば予約が可能という形になっているのですが、「今、本当に使っていいのか」と判断に迷うことがあります。
新型コロナ禍により、昼間は先生が緊張を強いられるなかで、児童と教職員に感染が起きないよう懸命に学校を運営しているのに、もし夜間や休日に使った人たちのなかに感染者を出してしまったらどうすればいいのか、とみんなすごく心配になっています。
<司会>
今、この会場に港北区こども家庭支援課の渡邉係長がいらっしゃいましたので、子育て支援に関するお話を伺ってみたいと思うのですが。ぜひ一言お願いいたします
<港北区こども家庭支援課係長・渡邉悠司さん>
「地域子育て支援拠点」の事業を担当しておりまして、畑中さんが登壇されるということで、最初から話を聴きたかったのですが、今日は1階の乳児健診が混雑していまして、その調整で遅れてしまいました。
地域行事に関するお話がありましたが、私たちも今、子育て支援に関する行事を地域のいろんな会場をお借りし、感染対策を徹底しながら再開しているところです。
子育て関連事業が止まっていた時、苦しいお母さんたちの声を聞いていましたので、「怖いから、できないから、やりません」ということではなく、自分の中で筋が通る説明をしていかなければならない、との思いを持ちながら再開していきました。
今回のコロナ禍ではみなさんが大変な思いをされたかと思いますが、この間に区内のさまざまな施設の方と仲良くなり、地域に関わって活動されている方から多くの声を伺う機会もできました。大きな課題があったときには、いろんな関係者が意見を持ち寄って、解決に向けて話し合うことの重要性にも気づかされた半年だったと感じています。
<司会>
急な指名だったのに、コメントいただきありがとうございます。子育て支援環境が以前の状態に戻りつつあることは、子育て中の方にとっても心強いと思いました
5.コロナ禍のなか、区内に新小学校
1人1台の端末整備へ、学校のIT化が急ピッチで進む
<司会>
港北区内ではコロナ禍のさなか、開校を迎える小学校もありました。箕輪町2丁目の「箕輪小学校」です。開校するだけでも大変なのに、苦労が多かったのではないでしょうか
<玉置 恭美さん:日吉台小学校校長>
箕輪小学校は「日吉台小学校第二方面校」として、日吉台小や綱島東小学校(綱島東3丁目)などの通学エリアを再編して今年4月に開校しました。
ただ、開校後に短時間の入学式は行えたものの、4月と5月は臨時休校中ですから児童は新しい学校へ通うことができません。
箕輪小の校長先生から伺ったのですが、開校時に分かっていたのは、通学対象となっている児童の保護者名と住所だけで、メーリングリストも整備できない状態だったといいます。そうなると、新しいクラスの担任から児童へ連絡を取ることも難しく、休校中の課題も配れないわけです。
ただ、さいわいだったのが箕輪小は新設校ということで、「ロイロノート・スクール」(中区北仲通に本社を置く株式会社LoiLoが開発)というインターネットを使った授業支援ツールが当初から導入されていました。
この「ロイロノート・スクール」に各家庭からアクセスしてもらい、ここに学校からの連絡や各学年向けの課題を流し、発信したということです。
箕輪小の例にもあるように、コロナ禍を経て「学校のIT化が欠かせない」という認識が国全体で急速に広まりました。文部科学省の示す「GIGA(ギガ)スクール構想」の実現を早めに行うべく、横浜市でも学校のIT環境整備を進めていくことになっています。
小学校や特別支援学校では1人につき1台のタブレット端末「iPad(アイパッド)」が整備されます。中学校や市立高校ではグーグル社が開発した「Chrome(クローム)端末」です。
これによって、いざ臨時休校となっても、タブレット端末を自宅へ持って帰ってもらい、児童・生徒が課題に取り組めるようになります。
<豊岡 修さん:青少年指導員協議会新羽地区会長>
学校の先生はそれでなくても忙しい中、ITに対応するための勉強を別にしなければならなくなります。サポートしてくれる人材を充てるなど、現場に配慮してもらわないと、IT活用が難しい面もあるのではないでしょうか。
<玉置 恭美さん:日吉台小学校校長>
今、月に3回から4回、学校に「ICT支援員」という人が派遣されていまして、IT面の整備や授業にも入ってくれ、職員への研修も行っています。また教職員向けに研修も多く行われ、「学校サポートデスク」による支援もあります。
<司会>
日吉台小では、臨時休校の期間中も学校の様子などを頻繁にホームページで発信をしていましたね
<玉置 恭美さん:日吉台小学校校長>
副校長さんが実務担当で、相談しながらとにかく必要な情報を伝えようとしました。日吉台中学校など他校の校長先生も頑張っておられたので、私も頑張らなければと休校中は「校長室より」のページで発信を続けました。
個人情報の保護に留意しながら、学校内の様子をできるだけ発信したい思いを持っています。
6.地域活動の「これから」と「今後」
地域に新たなつながりとIT活用を
<司会>
最後に一言ずつ、今後の目標や思っていることなどをお話しいただけたらと思います
<豊岡 修さん:青少年指導員協議会新羽地区会長>
新型コロナ禍の前から、自治会・町内会を始めとした団体間の横のつながりはあるようで何となく希薄だった面もあります。
新羽の場合は「子ども会」が去年から休会していたこともあり、「地域でもう少しうまく連携したいね」と年末あたりから話していたところでした。
さきほどから話に出ていますが、「IT」を使える人は積極的に活用してもらい、地域内で広く連携していけるところは連携していきたいと思います。
<畑中 祐美子さん:認定NPO法人びーのびーの>
個人的には新しいもの好きですので、地域での役割は「何かを探してくる係」なのだろうと勝手に思っています。なので、今回の「港北つなぎ塾トーク」へのオファーもそうなんですけど、話をいただいた時はなるべく断らないようにしたいと考えています。
あと、「他力本願」というキーワードも大事で、自分でできることは自分で調べながらも、ここは区役所に頼んじゃおうかなとか、青少年指導員にお願いしようとか、小学校の先生に言ってみようとか、色んな人や組織に頼ることで、新たなつながりを生み出していけたらと思っています。
<玉置 恭美さん:日吉台小学校校長>
港北区の小学生は毎年、港北公会堂で音楽会を行っているのですが、今年は新型コロナ禍で中止となりました。
「各校で『YouTube』を使って生配信してみてはどうか」といった話も出たのですが、各学校でDVDに録画し、違う学校の合唱を聴きあおうということになりました。
また、学校行事で言いますと、今年は従来のように大勢が集まる形での「運動会」を開くことも難しい状況です。
日吉台小でも低学年(1・2年)、中学年(3・4年)、高学年(5・6年)ごとに児童を入れ替え、保護者の観覧も各家庭から1人に限定し入れ替え制としました。
子供たちは他の学年の演技や競技を観られないことになりますので、教室で待機している間に外の模様をリアルタイムで、有線でつないで教室に配信してテレビで観られるようにしました。
これからどんどんIT活用が進んで、教職員も使いこなせるようになり、子供たちもiPadを持ち帰れば宿題も自主学習もできる、そんな時代も来るのではないかと思っています。
<司会>
まさに現場で実際に動かれている方ならではのお話を多く披露していただきました。今回の内容は、他の地域団体の方にも広く共有させていただきたいと思います。本日は長時間にわたりありがとうございました
(「つなぎ塾トーク」第4回:開催日2020年10月6日)